カンボジア活動報告2日目:クラチェ州に到着

7月30日クラチェに到着してから、荷物をホテルに置いて急いで病院へ。診察は4人。歯科の患者さんでした。スタッフが帰ってしまうこともあり、翌日の朝、歯科の外来へ来てもらうことになりました。

 

カンボジア活動報告3日目:クラチェ州立病院へ

7月31日午前、歯科の診察をしようと歯科外来へ。すると、扉に鍵が閉まっており開けるところから。診療室はほとんど使われていないと聞いていた。まず、天井のファンをスイッチをいれると虫が落ちてくる。歯科チェアはライトしかつかず他は全く動かない。もちろん、バキューム、モーター形も。オートクレーブも使えない。患者さんに歯科治療ができないことを説明するしかなかった。

 

事前に診察予定になっていた患者診察。舌腫瘍でした。診察に必要なライトがなくお決まりの携帯ライトで照らします。手術が決まり必要な器具を滅菌して手術室に案内しても麻酔がなかなかかからなくて待つこと1時間。麻酔士より麻酔がかけれないとのこと。手術後の術後の出血なども懸念され、キャンセルとなった。麻酔士のスキルと病院の環境で手術に制限されてしまうのは仕方ないことですが少し残念な気持ちになった。この患者さんはプノンペンへ行くことになりました。
クラチェでの初手術は、1歳の下口唇粘液嚢胞になりました。15分で終了になりました。

 

病院の入院生活。
入院食は無く、自炊か食事を買ってきて食べます。今日の作っていたものは魚の素揚げしたもの。お母さんが作っていました。
病院の入浴について。
もちろんお風呂は無く、シャワーも無い。
水を溜めて浴びています。
女性は布を巻いて水を浴びなければならない。
シャワールームを作ってあげたいです。

 

お金が無かったら輸血も出来ない…。
私たちの手術後の患者さんと同じ病室の男性。
交通事故で石が肝臓を圧迫し出血して緊急オペ。オペ後も出血が止まらず、この病院では対応できないためプノンペンの病院へ運ぶ事になった。
患者家族と担当医師の大きな声で言い争い。患者家族は泣きながら病室を出る。
私は何が起きたのかわからなかった。
患者は輸血をしないとプノンペンまで辿りつけないらしい。そこで輸血を3パックストックして運ぶのが良いが患者さんは貧困層で払えない。
医師は輸血のお金が払えないため、献血してくれる人を探していた。
私は医師に、もし病院に輸血のストックがあるならお金を払うから3パック用意してほしいと伝えた。医師は喜んで患者家族に伝えた。患者の母親は涙を流して喜んでくれた。輸血1パック35ドルの話である。1つはすでに献血ドネーションで用意されていて私が払ったのは70ドル。1日1.25ドルを家族5人で生活しているらしい。とても払える金額ではない。
献血を待たずにすぐに輸血を購入してプノンペンへ送ることができた。医師曰く、この患者さんはプノンペンに着いてからどれくらい生きれるかわからない。おそらく長くはないだろう。と涙を流しながら私に伝えた。
私は、輸血によって患者が少しでも長く家族と一緒にプノンペンまでの5時間の道中を過ごす事が出来ればそれは患者自身、家族のためにも時間を繋いであげる事が出来るのだと思った。
何もしてあげれなかったけど、70ドルで命の時間を伸ばしてあげる事ができる…。
皆さまの支援から患者と家族の時間を繋ぐ事が出来ました。本当に感謝致します。
最後まで見送りました。泣いていた家族が救急車の中から笑顔で手を振ってくれたのが目に焼き付いています。見送ってから患者さんが助かるように、願いました。

 

カンボジア保健大臣視察。
昨日は夕方患者さんをプノンペンへ運び終わってから、病院内が緊張の雰囲気に…。
ゴミは綺麗に掃除され、人がたくさん。
保健大臣は声をかけてくれて、私たちの活動について話をしました。カンボジアで18年活動していて意外な場所でお会いする事ができました。カンボジアのために長い間支援をしてくれてありがとうとおっしゃっていただきました。

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